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May 9th, 2024

Vite Meetup SF

Vite ランタイム API

低レベル API

この API は Vite 5.1 で実験的機能として導入されました。フィードバックの収集に追加されています。おそらく破壊的変更の可能性が高いため、使用する場合は Vite のバージョンを ~5.1.0 に固定するようにしてください。この機能は、ライブラリやフレームワークの作者向けの低レベル API です。アプリケーションを作ることが目的なら、はじめに高レベルの SSR プラグインと Awesome Vite SSR section にあるツールを確認してください。

現在、この API は Environment API として改訂されており、^6.0.0-alpha.0 でリリースされています。

「Vite ランタイム」は、はじめに Vite プラグインで処理することにより、任意のコードを実行できるようにするツールです。ランタイムの実装がサーバーから分離されているため、server.ssrLoadModule とは異なります。これにより、ライブラリやフレームワークの作者は、サーバーとランタイム間に独自の通信レイヤーを実装できるようになります。

この機能の目的の 1 つは、カスタマイズ可能な API を提供して、コードを処理・実行できるようにすることです。Vite は、Vite ランタイムをデフォルトで使えるようにするための十分なツールを提供していますが、Vite のビルトインの実装がユーザーニーズに合わない場合には、ユーザーがそれをベースに構築することができます。

すべての API は、インポート不可であると明示されていない限り vite/runtime からインポートできます。

ViteRuntime

型シグネチャー:

ts
export class ViteRuntime {
  constructor(
    public options: ViteRuntimeOptions,
    public runner: ViteModuleRunner,
    private debug?: ViteRuntimeDebugger,
  ) {}
  /**
   * 実行する URL。ルートから相対的なファイルパス、サーバーパス、または id を受け取ります。
   */
  public async executeUrl<T = any>(url: string): Promise<T>
  /**
   * 実行するエントリーポイントの URL。ルートから相対的なファイルパス、サーバーパス、または id を受け取ります。
   * HMR により完全なリロードがトリガーされた場合、このモジュールがリロードされます。
   * このメソッドが複数回実行された場合、すべてのエントリーポイントは1度に1つずつリロードされます。
   */
  public async executeEntrypoint<T = any>(url: string): Promise<T>
  /**
   * HMR リスナーを含むすべてのキャッシュをクリアします。
   */
  public clearCache(): void
  /**
   * すべてのキャッシュをクリアし、すべての HMR リスナーを削除し、ソースマップのサポートをリセットします。
   * このメソッドは HMR コネクションを停止しません。
   */
  public async destroy(): Promise<void>
  /**
   * `destroy()` メソッドの呼び出しによりランタイムが破棄された場合に `true` を返します。
   */
  public isDestroyed(): boolean
}

高度な使用方法

server.ssrLoadModule からマイグレーションしたばかりで HMR をサポートしたい場合は、代わりに createViteRuntime を使用することを検討してください。

ViteRuntime クラスは、初期化時に rootfetchModule オプションを必要とします。Vite SSR とのインテグレーションを簡単にするため、Vite は ssrFetchModuleserver インスタンス上に公開しています。Vite はメインエントリーポイントから fetchModule もエクスポートしています。new Function を使用してコードを実行することが期待されている ssrFetchModule とは異なり、コードの実行方法については何の前提もありません。このことは、これらの関数が返すソースマップで確認できます。

ViteRuntime 内のランナーには、コードを実行する責務があります。Vite はデフォルトで ESModulesRunner をエクスポートしており、コードの実行に new AsyncFunction を使用します。もし JavaScript ランタイムが安全ではない評価をサポートしていない場合は、自分自身の実装を提供できます。

ランタイムが公開している主な 2 つのメソッドは、executeUrlexecuteEntrypoint です。メソッド間の唯一の違いは、HMR が full-reload イベントをトリガーした場合に、executeEntrypoint によって実行されるすべてのモジュールが再実行されるという点です。このとき、Vite ランタイムは exports オブジェクトを更新しないことに注意してください(上書きします)。最新の exports オブジェクトがあることに依存する場合は、再度 executeUrl を実行するか、moduleCache からモジュールを取得する必要があります。

使用例:

js
import { ViteRuntime, ESModulesRunner } from 'vite/runtime'
import { root, fetchModule } from './rpc-implementation.js'

const runtime = new ViteRuntime(
  {
    root,
    fetchModule,
    // HMR をサポートするために hmr.connection も提供できます
  },
  new ESModulesRunner(),
)

await runtime.executeEntrypoint('/src/entry-point.js')

ViteRuntimeOptions

ts
export interface ViteRuntimeOptions {
  /**
   * プロジェクトのルート
   */
  root: string
  /**
   * モジュールの情報を取得するためのメソッド。
   * SSR の場合、Vite はここで指定できる `server.ssrFetchModule` 関数を公開します。
   * 他のランタイムのユースケースの場合、メインエントリーポイントから `fetchModule` も公開します。
   */
  fetchModule: FetchFunction
  /**
   * ソースマップの解決方法を設定します。`process.setSourceMapsEnabled` が利用可能な場合は `node` を優先します。それ以外の場合は、デフォルトで `Error.prepareStackTrace` メソッドをオーバーライドする `prepareStackTrace` を使用します。
   * オブジェクトを提供すると、Vite によって処理されなかったファイルに対する、ファイルコンテンツとソースマップの解決方法を設定できます。
   */
  sourcemapInterceptor?:
    | false
    | 'node'
    | 'prepareStackTrace'
    | InterceptorOptions
  /**
   * HMR を無効化するか、HMR オプションを設定します。
   */
  hmr?:
    | false
    | {
        /**
         * HMR がクラインアントとサーバー間で通信する方法を設定します。
         */
        connection: HMRRuntimeConnection
        /**
         * HMR ロガーを設定します。
         */
        logger?: false | HMRLogger
      }
  /**
   * カスタムのモジュールキャッシュ。指定しない場合、ViteRuntime インスタンスごとに別のモジュールキャッシュを作成します。
   */
  moduleCache?: ModuleCacheMap
}

ViteModuleRunner

型シグネチャー:

ts
export interface ViteModuleRunner {
  /**
   * Vite によって変換されたコードを実行します。
   * @param context 関数のコンテキスト
   * @param code 変換されたコード
   * @param id モジュールをフェッチするために使われる ID
   */
  runViteModule(
    context: ViteRuntimeModuleContext,
    code: string,
    id: string,
  ): Promise<any>
  /**
   * 外部化されたモジュールを実行します。
   * @param file 外部モジュールのファイルの URL
   */
  runExternalModule(file: string): Promise<any>
}

Vite は、このインターフェイスを実行している ESModulesRunner をデフォルトでエクスポートします。コードの実行に new AsyncFunction を使用するため、コードがソースマップをインライン化している場合、新しく追加される行に対応するために、2行のオフセットを含む必要があります。これは server.ssrFetchModule によって自動的に行われます。もし自分のランナー実装にこの制約がない場合は、(vite からエクスポートされた)fetchModule を直接使用する必要があります。

HMRRuntimeConnection

型シグネチャー:

ts
export interface HMRRuntimeConnection {
  /**
   * メッセージをクライアントに送信する前にチェックされます。
   */
  isReady(): boolean
  /**
   * メッセージをクライアントに送信します。
   */
  send(message: string): void
  /**
   * このコネクションが更新をトリガーするときの HMR のハンドリング方法を設定します。
   * このメソッドは、コネクションが HMR の更新のリッスンを開始し、受信時にこのコールバックを呼び出すことを期待します。
   */
  onUpdate(callback: (payload: HMRPayload) => void): void
}

このインターフェイスは HMR の通信の確立方法を定義します。Vite は Vite SSR 中の HMR をサポートするために、ServerHMRConnector をメインエントリーポイントからエクスポートしています。isReadysend メソッドは通常、カスタムイベントがトリガーされたときに呼ばれます(たとえば、import.meta.hot.send("my-event"))。

onUpdate は、新しいランタイムが初期化されたときに 1 回だけ呼び出されます。コネクションが HMR イベントをトリガーするときに呼ばれるメソッドが渡されます。実装はコネクションの種類に依存しますが(例として WebSocket/EventEmitter/MessageChannel などがある)、メソッドは通常次のような形になります:

js
function onUpdate(callback) {
  this.connection.on('hmr', (event) => callback(event.data))
}

コールバックはキューに追加され、次の更新が処理される前に、現在の更新が解決されるまで待ちます。ブラウザーの実装とは違い、Vite ランタイム内の HMR の更新は、モジュールの更新前にすべてのリスナー(vite:beforeUpdate/vite:beforeFullReload など)が完了するまで待機します。

createViteRuntime

型シグネチャー:

ts
async function createViteRuntime(
  server: ViteDevServer,
  options?: MainThreadRuntimeOptions,
): Promise<ViteRuntime>

使用例:

js
import { createServer } from 'vite'

const __dirname = fileURLToPath(new URL('.', import.meta.url))

;(async () => {
  const server = await createServer({
    root: __dirname,
  })
  await server.listen()

  const runtime = await createViteRuntime(server)
  await runtime.executeEntrypoint('/src/entry-point.js')
})()

このメソッドは server.ssrLoadModule の簡単な代替として機能します。ssrLoadModule とは違い、createViteRuntime はデフォルトで HMR のサポートを提供します。options を渡すことで、ニーズに合わせて SSR ランタイムの振る舞いをカスタマイズできます。

MainThreadRuntimeOptions

ts
export interface MainThreadRuntimeOptions
  extends Omit<ViteRuntimeOptions, 'root' | 'fetchModule' | 'hmr'> {
  /**
   * HMR を無効化するか、HMR ロガーを設定します。
   */
  hmr?:
    | false
    | {
        logger?: false | HMRLogger
      }
  /**
   * カスタムのモジュールランナーを提供します。これによりコードの実行方法を制御します。
   */
  runner?: ViteModuleRunner
}

Released under the MIT License. (1d9157cf)